保険診療における医薬品の取り扱いについて(昭和55年通知)

レセプトチェッカーの特徴は、文字列照合で医師の薬理学的判断に柔軟に対応する点です。

薬剤にはそれぞれに適応症がありますが、適応症以外に医師が薬理学的に必要と認めた場合には保険請求ができることが昭和54年、当時の橋本龍太郎厚生大臣と武見太郎日本医師会長との間の書簡で確認されました。

昭和54年8月29日

日本医師会長
武見太郎殿

厚生大臣
橋本龍太郎

8月21日付の貴翰に次のとおり回答いたします。
1.薬効表示について、医学と医師の立場が全く無視され、製薬企業の資料のみによる病名決定で用途が規定されることは誤りでありました。
厚生大臣としては、薬理作用を重視するものであり、能書については、薬理作用の記載内容を充実する方向で改善するよう、薬務局に対し指示いたしました。
従って、医師の処方は薬理作用に基づいて行われることになります。

これを受けて通知(55年通知)がだされ、現在もその考え方が生きています。

保険診療における医薬品の取り扱いについて

(昭和55年9月3日 保発第51号)
厚生省保険局長

1.保険診療における医薬品の取扱いについては、厚生大臣が承認した効能又は効果、用法及び用量によるとされているが、有効性及び安全性の確認された医薬品を薬理作用に基いて処方した場合の取扱いについては、学術上誤りなきを期し一層の適正化を図ること。

2.診療報酬明細書の医薬品の審査にあたっては、厚生大臣の承認した効能効果等を機械的に適応することによって都道府県の間においてアンバランスを来たすことのないようにすること。

ただし、どこまでを認めるかは薬剤毎に異なり、いくら薬理学的に胃炎に効果があっても胃炎の病名ではPPIは減点されます。